自分を整える

「50代。もう一人の自分は、鏡の中でずっと待っていた。」

bamadice

体脂肪率を測った。

結果を見て、正直ショックだった。 ここまでとは思っていなかった。

体重は大きく変わっていなかった。 年齢の割にまだ動けると思っていた。 それがずっと、自分への言い訳になっていた。

翌朝、鏡を見た。 思わず心で叫んでいた。

「俺って、こんなに老けてたっけ?」

鏡の中に、自分が思い描いていた自分はいなかった。 そこにいたのは、紛れもないおじさんだった。


50代は、老いを言い訳にしやすい年齢だ。

体力が落ちた→まずは休もう。 体重が落ちない→基礎代謝のせい。 体が痛い→年齢相応だからしょうがない。

解決ではなく、容認。 やらない理由を探すのが、うまくなっていった。

でもそれは、本当の自分からの警告を 知っていて、知らぬふりをしていただけだった。

息が上がりやすくなった。 頭の回転が遅くなった気がする。 知らずのうちに、階段よりエスカレーターを選んでいた。 重い腰がなかなか上がらない。 ソファーに横になる時間が増えた。

本当の自分は、ずっとサインを送り続けていた。


今思えば、妻や娘たちの指摘も警告だった。

自分はチームスポーツのトレーニングコーチ。 練習の合間に昼食を済ませる生活が、25年以上続いた。 その習慣が、全ての食事に染み付いていた。

妻や娘たちには、ずっとこう言われていた。

「食べるのが早い」 「よく噛まないと健康によくないよ」 「食事を楽しんでるとは思えない」 「50歳なんだから、喉に詰まらせないでよ」

でも当の本人はこう思っていた。

習慣だからしょうがない。 健康面での問題もない。 美味しいと感じてるんだから、早くても関係ない。

今思えば、完全に都合のいい解釈だった。 妻や娘たちは、ずっと正しかったのだ。


最近、そこに変化が生まれた。

まず、ランニングを始めた。 トレーニング中のバイクを、ランニング20分に切り替えた。

正直、あまり好きじゃない。 毎回始める前は、ちょっと嫌な気持ちになる。 まるで戦いが始まる直前のような感覚だ。 この20分が、いまだに永遠の時間に感じる。

それでも続けた。 終えた後の満足感が高いから。 継続することが一番大事だと思っているから。

食事も見直した。

揚げ物、脂肪分を避ける。 鶏肉中心、炭水化物は必要最低限。 食事量が減ることで、一口一口を楽しむようになった。 よく噛むようになった。

そしてお酒を絶った。 体のためだけじゃない。

早起きの習慣を崩したくない。 休みの日の倦怠感を感じたくない。 ブログを書くための朝の時間を守りたい。

お酒よりも大切にしたいものが、 いつの間にかたくさんできていた。


変化は、少しずつ現れてきた。

お腹まわりの脂肪が減ってきた気がする。 先日、同僚にこう言われた。

「お腹へっこんできましたね」

自分では気づきにくい変化を、他人が認めてくれた。 それは、確かに何かが変わってきているサインだと思う。

食事も変わってきた。 全部が全部ではないけれど、時々、素材を吟味しながら食べるようになった。

先日、鶏のささみを食べていた時のことだ。 以前はあまり味がしないと思っていた。 でも最近、素材そのものの味をしっかり感じた。

思わず気づいてしまった。 今まで自分は、どれだけ味の濃いものばかり食べていたのだろうと。

味が劇的に変わるわけではない。 でもその一口が、食事の価値を上げている。 自分の体に入れるものだから、むやみにデザートも食べなくなった。


最近やっと気がついた。

誰を一番大切にしなければいけないのか。 誰の話を、真っ先に聞かなければいけないのか。

そいつはいつも目の前にいた。 鏡の中で、体重計の前で、息が上がる瞬間に。 ずっとそこにいて、ずっと訴え続けていた。

近くにいて、遠い存在だった。 近すぎて、蔑ろにして生きてきた。

でも、もう違う。 これからは生涯の大親友として、一番大切にしていく。

鏡の中でずっと待っていてくれた、もう一人の自分へ。 やっと気がついたよ。

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バマ
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体と心を整える
暮らしの案内人
体と心をやさしく整える暮らしを提案。
25年以上、プロ・アマチュア選手の体づくりやリハビリ、メンタルケアに携わってきた経験をもとに、日常で無理なく実践できる習慣やヒントを発信しています。
「今日できる小さな一歩で、体と心を整え、毎日を軽やかに変える」
趣味: 散歩・軽い筋トレ・ストレッチ(リラックス音楽と共に)・読書・音楽鑑賞・アニメ
モットー: 「今日できる小さな一歩で、体と心を整え、毎日を軽やかに変える」
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