思考を整える

分析するのは、強みか逃げか|50代が向き合う、まだ座らない信念

バマ

仕事より、人間関係で辞めていく

職場で辞めていく人を見ていると、共通点がある気がする。

仕事自体がきついかどうかより、人間関係で我慢ができなくなった人から辞めていく。
仕事のきつさには頑張れても、人間関係は一度嫌な感じが芽生えると、悪いところしか見えなくなっていくものだ。

逆ギレしてきた部下と、周りが見えない新しい部下

去年、会社の決定に納得がいかず、逆ギレしてきた部下がいた。
自分が上司なんだから、どうにかしてくれと詰め寄られた。
結局、自分では手を汚さず、決定には従う。
それでも文句は言い続ける。
それ以来、その部下の態度はどこか攻撃的なままだ。

今年に入って、自分の部下がもう一人増えた。
その新しい部下は自分より年上で、外国出身。
文化的な背景も違うこともあって、周りを見ずに自分のペースで仕事を進めるタイプで、既存の部下と同じ立場で働くことになった。

同じような仕事をしていれば、どうしても領域は被る。
彼のペースが乱されれば、それだけでストレスになるだろう。
相手が年上で文化的背景も違うとなれば、直接ペースを指摘するのも難しい。
相手に悪気はなく、自分のやりたいようにやっているだけで、それが周りにどう影響するか理解していないだけなのだと思う。

最近、その既存の部下の口数が変わってきたのに気づいた。
以前は雑談の中に前向きな話も混じっていたのに、今は愚痴ばかりだ。
表情も、どこか曇っている。

助けたい気持ちと、愛想が尽きた気持ちと

正直、複雑な気持ちがある。
どうにかしてやりたいと思う自分がいる。
一方で、去年、自分に牙を向いてきた部下に対して、正直もう愛想が尽きているところもある。
助けたい気持ちと、突き放したい気持ちが、同時に自分の中にある。
ネガティブな思考と一緒にいると、こちらの脳のリソースまで無駄に削られていく。
だから、今は少し距離を置いている。

上司も、同じ構造を演じていた

一番厄介なのは、上司自身もこの構造を上から演じていることだ。
「会社が決めたことだから」の一点張りで、部下のペースも力量もタイミングも見ようとしない。
しかも、この厄介な人間関係そのものには、見て見ぬふりを決め込んでいる。
それがどれだけ現場の調和を壊しているか、想像が及んでいない。
上に立つ人間が周りを見ずに動くと、その歪みは必ず下に流れていく。

やるべき仕事はやる。
迅速な対応も必要だ。
でも、相手が抵抗なく受け入れられる形にできるか。
そこに、上に立つ人間の力量が出るのだと思う。

闘わず、今できることを選ぶ

ただ、下手に動くと、一方を良くしようとした結果、もう一方が悪い影響を受けることがある。
良かれと思って手を出すより、まず状況を理解し、把握することの方が大事だ。
フットワークの軽さより、時間をかけて状況を判断すること。
思考の積み重ねと経験値で分析できることが、50代の強みなんだと思う。

とはいえ、今の環境で、上に向かって声を上げても、労力が無駄になるだけだと分かっている。
だから、闘うことは選ばなかった。
今ある環境の中でできることを、模索する方を選んでいる。
仕事・家族・自分という3つの軸を持っているから、満足度は他で上げればいい。

人間力の成長に、終わりはない

この一件を通して、思うことがある。
人間力の成長に、終わりはないんだろうということだ。

周りに気を使うこと、先を見据えること、感情に振り回されずにポジティブでいること。
それができる30代を見ると、素直にすごいと思う。
一方で、去年逆ギレしてきたあの部下は、もう40代だ。
それでも、この人間関係の葛藤からは抜け出せずにいる。
あの上司も、実は自分より年下だ。
それでも、周りが見えない振る舞いをしている。
年齢を重ねれば自然に人間力が備わるわけじゃないと、改めて思う。

分析では50代の強みを持っていても、感情で動きたくなる幼さは、まだ自分の中に残っている。
愛想が尽きたと思う瞬間があること自体、まだ成熟しきれていない証拠なんだと思う。

ただ、こう考えることもある。
時間をかけて状況を分析するという判断自体、実は自分の信念に基づいて動けていないことの裏返しなんじゃないか。
もし本当に自分の信念が固まっていれば、動くか動かないか、今か後かは、もっと迷わず判断できるはずだ。
それに時間をかけているのは、腹が据わっていないのか、信念が固まっていないのか、本気になれていないだけなのか。
正直、まだ自分でも分からない。

この葛藤は、いつまで経っても消えない。
50代になっても、答えが出ない。
それでも、これが今の自分の成長過程なのだと思うことにしている。

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ABOUT ME
バマ
バマ
50代の再チャレンジャー
アスレティックトレーナー/トレーニングコーチ。 プロとアマチュア、両方の現場で四半世紀以上、選手と向き合ってきた。 50代になって気づいた。自分を一番蔑ろにしていたのは、自分自身だった。 体を整え、思考を整え、暮らしを整え、そして自分を整える。 守りから、前へ。
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