思考のリソースを減らす|50代が選んだ、お金周りの整え方
給料日の前日、頭の中はいつも同じだった。
クレジットの返済、住宅ローン、生活費、教育費。
給料が入るたびに、まず振り分ける。
残った金額を見て、今月いくら貯金できるか計算する。
娯楽費はいくらまでなら使えるか。
どこのスーパーが安いか。
ガソリンはどこで入れるか。
全部、頭の中でやっていた。
お金のことを考えることに、脳のリソースを使い果たしていた。
毎月の振り分けが、脳を占領していた
給料日が待ち遠しかった。
やっと来た、という感覚。
でもその瞬間から、頭はフル回転だった。
クレジットカードが複数枚あった。
サイトで今月の支払額は確認していた。
でも思った以上に増えていることが、珍しくなかった。
その度に、どうやりくりするか考える。
把握しているのに、コントロールできていない。
そのストレスが、毎月続いていた。
節約のために遠いスーパーまで足を運んだ。
チラシを確認して、サイトを見て、100円でも安いものを探すことに時間をかけた。
100円安くするために、どれだけの時間を使っていたか。
今思うと、その時間の方がはるかに大切だった。
最初にやったのは、固定費の断捨離だった
お金周りを整えようと決めた時、まずやったのは支出の見直しだった。
本当に必要かどうか、一つずつ確認した。
携帯電話のキャリアを格安に変えた。
保険を見直した。
クレジットカードの枚数を減らした。
住宅ローン以外の借金を整理した。
派手なことは何もしていない。
でも固定費を断捨離したことで、必要最低限の支出が見えてきた。
無駄な出費が減り、毎月の支払いがすっきりした。
把握できると、考えなくていい。
毎月の支払い全体に余白が生まれた。
多少クレジットの返済が増えても、以前ほど気にならなくなった。
毎月自動で動く仕組みが整うと、頭を使う場面が一気に減った。
節約の基準が変わった
遠くの100円引きより、近くの通常価格を選ぶようになった。
時間は有限だ。
その時間を、100円のために使うのか。
そう考えると、答えは自然と出てきた。
ご褒美のためにお金を使う、という感覚も薄くなった。
以前は欲しいものを買うことがご褒美だった。
今は違う。
健康のために必要なものを買う。
自分のために必要な環境を整える。
その結果として、ご褒美が生まれる。
買うことがゴールじゃなくて、買ったものをどう使うかがゴールになった。
給料日を、心待ちにしなくなった
ある時気づいた。
給料日を特別に意識しなくなっていた。
やっと来た、という感覚がない。
必要な時に必要なお金を使う。
それだけになっていた。
お金に縛られていた感覚が、いつの間にかなくなっていた。
お金は、幸福が生まれる場面を作るもの
今の自分にとって、お金はこういうものだ。
購入して満足する、その場限りの幸福のためじゃなくなった。
思い出という幸福が生まれる場面を作るために使うようになった。
外食なら、その時間をお金で作る。
家族と囲むテーブル、その場の会話や雰囲気。
この料理美味しかったね、あの時こんなことがあったね。
そういう言葉が交わされる瞬間から、もう思い出になっている。
共有された記憶が、幸福感を育てていく。
お金がもたらすのは、幸福そのものじゃなくて、幸福が生まれる余白だ。
給料日の前日、振り分けを頭で計算していたあの頃とは、だいぶ違う景色を見ている。
