自分を整える

目的のない会話が、苦手なんじゃなかった|50代が気づいた、興味の矛先の正体

バマ

バーベキューで、話が弾まなかった

先日、会社関係のバーベキューがあった。
雨が少し降っていて、足元がぬかるんでいる、そんな天気だった。

飲み放題だったけど、車で来ていた自分はお茶を飲んでいた。
周りがビール片手に盛り上がっている中、自分だけノンアルコールというのも、少し輪から浮く要因だったかもしれない。

肉や焼きそばはみんなで作った。
年齢的なこともあってか、気づけば自分がリードして焼く流れになっていた。
それでよかったのかは今も分からないが、周りは楽しそうに肉をひっくり返していた。
具材自体は特別なものじゃない、いわゆるコースの範囲内のものだったけど、バーベキューという雰囲気の中で食べると、それなりに美味しく感じた。

そんな空気の中、普段はほとんど話さない、他部署の人たちと一緒になる機会だった。
せっかくだからと、隣に座った若手社員と話し始めた。

どんな仕事をしているか。
どんな流れで今の仕事に就いたか。
前職はどうだったか。ひと通り聞いた。
「へえ、そうなんだ」とは思う。
なるほど、とも思う。

でも、そこから先に進まなかった。

深掘りしたいという熱が、湧いてこなかったのだ。

一方的に話すのも、気が引けた

相手の話が終わると、次は自分の番になる。

でも、そこで自分の話ばかりするのも気が引けた。
20歳近く年齢が離れている相手に、50代のおっさんが一方的に語り出す。
それこそ説教くさくなる。

だから、無難な範囲で会話を成り立たせようとした。
グイグイ聞くわけでもなく、グイグイ話すわけでもなく。
相手もきっと、つまらなかっただろうなと思う。

周りにいたのは、30代前後の社員たちだった。
アルバイトの女性もいれば、転職してきたばかりの男性もいる。
年齢も立場もバラバラな中で、長く一つの仕事をしてきた自分にとっては、少し不思議な感覚もあった。

会話が弾まなかった原因を、最初は「歳の差」や「歩んできた道のりの違い」だと思っていた。
それぞれの道のりに興味がないわけじゃない。
ただ、自分の実感が重ならない分、深掘りする取っ掛かりが見つけにくいのだろう、と。
そう片付けようとした。

でも、それだけじゃない気がした。

これでいいのか、というモヤモヤ

正直、少し引っかかっていた。

自分は、感じが悪かったんじゃないか。
もっと興味を持って聞いてあげればよかったんじゃないか。
せっかく話しかけてくれたのに、上っ面の相槌で終わらせてしまったんじゃないか。

会話は、頑張っている方だと思う。
無視をしたわけでも、そっけない態度をとったわけでもない。
それでも、興味が湧かないまま相槌を打っている自分は、相手にとって失礼なんじゃないかという思いが拭えなかった。

それに気づいたら、余計にモヤモヤした。

興味の矛先は、「目的」だった

自分がどんな会話に前のめりになれるか、考えてみた。

選手との会話は、興味を持って聞ける。
なるほどと思うことも多い。
それは、仕事に必要な情報を引き出すという、明確な目的があるからだ。

一方で、同僚や部下の愚痴には、あえて参加しない。
生産性がないと感じると、興味を持てない。
仕事をしているふりをして、聞き流してしまうことすらある。

ここまで考えて、気づいた。

自分にとって「興味が持てるかどうか」は、社交性の問題でも、年齢差の問題でもなかった。
目的があるかどうか、それだけだったのだ。

目的思考は、プロとしての癖だった

四半世紀、選手の体と向き合ってきた。
そこには常に目的があった。
回復させる。
パフォーマンスを上げる。
ケガを防ぐ。
すべての会話が、その目的につながっていた。

目的のある会話には、いくらでも熱を持って向き合える。
でも、目的のない、ただ場を和ませるための会話には、その熱の持って行き方がわからない。

これは、性格が悪いとか、人付き合いが下手とかいう話じゃない。
長年かけて染みついた、プロとしての癖なんだと思う。

ただ、それで全部が腑に落ちたわけじゃない。

この先、うまくやっていけるか

目的のない会話に、モチベーションが湧かない。
それ自体は、もう仕組みとして理解できた。

でも、それをそのまま放置していいのか、という不安もある。
興味が湧かないなら、わざわざその場に出ていく必要はない。
そう考えた先に見えるのは、必要な人とだけ話し、あとは家に引きこもるような生活だ。

仕事を終えたら、選手との会話みたいな「目的のある関係」はなくなる。
そうなった時、目的のない会話をわざわざしようとするだろうか。
それとも、面倒に感じて、人と関わること自体を避けるようになるだろうか。

正直、まだ答えは出ていない。

ただ、今回のバーベキューは、それを考えさせてくれる機会にはなった。
目的のない会話が苦手なのは、社交性が足りないからじゃない。
まだ、扱い方を知らないだけだ。

知らないなら、これから少しずつ知っていけばいい。
仕事を終えた後の自分のためにも、今のうちから。

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ABOUT ME
バマ
バマ
50代の再チャレンジャー
アスレティックトレーナー/トレーニングコーチ。 プロとアマチュア、両方の現場で四半世紀以上、選手と向き合ってきた。 50代になって気づいた。自分を一番蔑ろにしていたのは、自分自身だった。 体を整え、思考を整え、暮らしを整え、そして自分を整える。 守りから、前へ。
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