たいしたことじゃないのに、カッとなる|50代が気づいた、自律神経の予備力という現実
年下の上司に、声を荒げてしまったことがある。
急に新しい仕事を振られて、「なんでそうなる前に言ってくれなかったんですか」と。
相手の能力を考えれば、それは予測できたことだった。
わかっていた。
その上司の性格上、そういうことが起きるのは想定の範囲内だった。
それでもカッとなった。
後から冷静になって、大人気なかったと思った。
妻から「最近、お父さんがたいしたことじゃないのにカッとなる場面が増えた」と言われたことがあった。
義父の話だ。
自分の父親も、年をとってから同じような場面が増えた。
老人あるあるだと思っていた。
でも、自分も同じことをやってしまって、そうじゃないかもしれないと思った。
これはメンタルの問題だけじゃないかもしれない。
交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキ
自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類がある。
交感神経は「アクセル」だ。
緊張・興奮・ストレスを感じた時に働き、心拍数を上げて体を戦闘モードにする。
副交感神経は「ブレーキ」で、リラックス・休息の時に働き、体を落ち着かせる。
この2つがバランスよく切り替わるのが、本来の姿だ。
若い頃は何かにカッとなっても、副交感神経がすぐブレーキをかけてくれた。
自然に落ち着けた。
特に意識していなくても、体が勝手に調整してくれていた。
50代になると、ブレーキが効きにくくなる
問題は、加齢とともに副交感神経の働きが低下することだ。
ブレーキの力が落ちる。
それだけじゃなく、加齢とともに安静時の交感神経活動が増加する傾向がある。
日頃からアクセルが踏まれた状態が続いているため、ちょっとした刺激でも過剰に反応しやすくなる。
予備力が落ちてきているということだ。
性格や未熟さの問題じゃなかった。
ブレーキが効きにくくなってきたという、体の話だ。
気づいたらすでにやっていたこと
副交感神経を意識的に働かせる方法はいくつかある。
調べてみると、意外と自然にやってきていたものが多かった。
笑うこと。気を遣わない人や家族との会話。
湯船にゆっくり浸かること。
ゆとりある時間設計。
十分な睡眠。
笑うことは意識するようにしてきた。
家族との会話は、気を遣わなくていい分、副交感神経が働きやすい。
湯船にゆっくり浸かる習慣も、体を温めながら一人の時間を作るという意味で、同じ話だと思う。
睡眠はカフェインの時間制限や睡眠時間の確保に取り組んできた。
時間の設計も、以前はギリギリを攻めていたのが、今は余裕を持つ方向にシフトしてきた。
前日に準備を済ませて、当日は余裕のある時間設定にする。
「間に合わないかも」というメンタルが嫌になってきたからだ。
それも自律神経の話だったんだと思う。
ギリギリの緊張感がアクセルを踏み続けさせていた。
足りていなかったもの
ただ、気づいていなかったものもある。
歩くことがそうだ。
歩くという行為が副交感神経を働かせるということを、今回初めて意識した。
トレーナーとして体の話は知っているつもりだったが、自分自身の日常に当てはめると、意外と足りていなかった。
移動は車が多い。
意識的に歩く時間をつくるという発想が、これまでなかった。
呼吸もそうだ。
ゆっくり深く息を吐くことで副交感神経がオンになる。
緊張した直後でもすぐできる。
道具も時間も場所も要らない。
でもこれまでほとんど意識したことがなかった。
カッとなった瞬間に、ゆっくり息を吐く。
それだけでブレーキが効きやすくなるということを、50代になって初めて知った。
まだ整える余地がある。
それがわかっただけでも、今日は悪くなかった。
→ まとめて読むなら|50代の体の整え方
