思考を整える

知っていることを、あえて言わなかった|50代が海外出張で選んだ、成長を待つという役割

バマ

「聞けばいいのに」とは、思った。
でも、「なんで聞かないんだ」とは、思わなかった。

初めての土地で、段取りを組んでいく若手

複数人で行った海外出張でのことだ。
初めてその土地を訪れる若い社員が、一人でスケジュールを組み、他のメンバーに共有してくれていた。

こちらは以前にも、同じ場所で動いたことがある。
聞いてくれれば、もっと効率のいい回り方を伝えられた。

でも、彼は聞かない。
自分の視点で、どんどん組んで、どんどん進めていく。

「聞けばもっと効率よく行けるのに」と思いつつ、初めての土地で他の人の役に立ちたいのだろうと、あえて任せることにした。

周りの評価は「行動力がある」だった

そのうち、他の社員が彼の話をしているのが耳に入った。
「初めてなのに、行動力あるよね」
そんな声が、周りから上がっていた。
こういう人がいると助かる、という空気もあった。

同じ行動でも、見方が変わる。
後先考えずに動く人、仕切りたがる人。
そう受け取られることもあれば、行動力のある人として評価されることもある。

その分かれ目は、結果や周りの受け取り方であることが多い。
場合によっては、結果以前に、動いたこと自体が評価される。

動かなければ、何も起きない。
暇というのは、何もしていない状態のことで、誰かが動き出せば、そこから何かが起こり始める。

きっかけを作る人がいるから、イベントが生まれる。

知っていることを、あえて言わなかった

以前の自分なら、前にこの仕事を進めていた人に聞けばいいのに、と思っていたはずだ。

でも今回は、部署も違う。
仕切りたがることも、知ったかぶりも、ある意味では「自分を認めてもらいたい」という気持ちの表れだ。
彼なりに頑張った結果だと思えた。

だから、任せた。
知っていることは、知らぬふりをした。
わからないところが出てきたときだけ、こちらで手配をした。

役割が違うから、回っていた

もし自分が仕切りたいタイプだったら、「なんで俺に聞かないんだ。
前にやったことがあるのに」となっていただろう。
同じタイプが並ぶと、ぶつかる。

今回は、自分がサポート役に回れた。
きっかけを作る人と、それを支える人。
どちらが上ということではなく、役割が違うだけだった。

家でも、同じ構造がある。
妻は「どこかに行きたい」「何が食べたい」と言い出してくれる。
自分は正直、なんでもいいと思っていることだから、決めてくれると助かる。

指摘する満足より、成長を待つ

彼の部署の上司なら、「なんで聞かないんだ」と怒るかもしれない。
そこに気づけるようになれば、彼はもっと良い形で仕事ができる。

ただ、その気づきは経験が伸ばすものだ。
時間がかかる。
そして、気づく日が来るかどうかは、わからない。

気づけないまま、上司と合わなかったり、周りとの人間関係がうまくいかなかったりして、職場を去っていく人もいる。
組織で仕事をする以上、周りとの協調性は思っている以上に重要で、自分の仕事の仕方も、バランスを考えなければならなくなる。

今ここで指摘すれば、こちらの気は済むかもしれない。
でも、

指摘する満足ではなく、成長するのを待つ。

収穫の時期を間違えないように、伝える内容も、タイミングも、じっくり待つ。

このスタンスで人を見られたことは、今回の出張の収穫だったのかもしれない。
50代だから、選べる思考だと思う。

彼が気づく日が来るかは、わからない。
それでも、人の成長に期待する自分が、そこにはいるのかもしれない。

思考の整え方の順番は、50代 考えすぎて疲れる理由(思考#37・ハブ記事)にまとめている。

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ABOUT ME
バマ
バマ
50代の再チャレンジャー
アスレティックトレーナー/トレーニングコーチ。 プロとアマチュア、両方の現場で四半世紀以上、選手と向き合ってきた。 50代になって気づいた。自分を一番蔑ろにしていたのは、自分自身だった。 体を整え、思考を整え、暮らしを整え、そして自分を整える。 守りから、前へ。
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